お肌の構造

概要

からだの外表面を覆っているものを外皮または総皮といいます。成人
では約1.6uの広さがあるそうです。皮膚皮下組織と共に外皮を構成
している組織の1つですが、皮下組織は機能的には皮膚に属していると
考えられます。そのため、広義の意味で外皮=皮膚と考えちゃって結構
です。
そもそも、皮膚は1.重層扁平上皮という2.上皮組織により成り立つ表皮
と、3.結合組織である真皮の大きく二層に分けられています。
このページでは皮膚を表皮、真皮と皮下組織に分けたものを、それぞれ
お話していきます。

表皮って??

表皮は奥から胚芽層(基底層/有棘層)、角質形成層(顆粒層/淡明層)、
角質層に分けられます。胚芽層をさらに分けると、最も奥にあるのが
基底層で、有棘層がそこに続いています。角質形成層も同様に、奥から
顆粒層、淡明層と分類することが出来ます。

つまり、表皮は奥から順に「基底層」「有棘層」「顆粒層」 「淡明層」「角質層」と分類できるということです。

その中の最も奥にある「基底層」から細胞がどんどん表面の方にある細胞
へ変化し、最終的に表面で剥離することとなります。この移動には約28日
かかると言われます。いわゆるターンオーバーというやつです。年齢や
ホルモンバランス、ストレスなどで変化します。

基底層

この層は、高い円柱形の細胞で構成されており、所々にメラニン
細胞という細胞が存在します。メラニン細胞ではメラニン色素が
作られており、基底層を紫外線から守る役割を持っています。
この色素がたくさん作られることによって、肌が黒くなるという
わけです。また、基底層には紫外線以外から体を守り、免疫系と
深く関連しているランゲルハンス細胞という細胞も存在します。
免疫と言えば血液を思い出しますが、皮膚もしっかりと体内を
守ってくれる器官の1つです。

有棘層

基底層に続く数層に渡る球形や多角形の細胞で構成されている表
皮で最も厚い層。そして、これらの細胞はデスモソームという細
胞と細胞をくっつける装置により繋がっています。有棘層の細胞
とデスモソーム合わせたものを有棘層と呼びます。この層を構成
している細胞同士の間にはリンパ液が流れており、それぞれの細
胞に栄養を行き届かせてくれます。

顆粒層

結構薄い層です。顆粒層を構成する細胞は扁平な形をしており、
多くの層板顆粒ケラトヒアリン顆粒が含まれています。
層板顆粒はセラミドなどの脂質に富んでいることから、 水分保持
やバリア機構に、とっても大事な役割を果たしています。
セラミドは最近美肌になるために注目されているので、ご存知の
方も多いと思います。保湿に重要な成分です。
アトピー性皮膚炎では、このセラミドの減少が報告されています。
ケラトヒアリン顆粒は好塩基性の物質ですが、淡明層と関連する
ので詳細は次の欄で説明します。

淡明層

淡明層も顆粒層と同様、薄い層です。この層を構成する細胞は
エレイディンという好酸性物質で満たされてます。
このエレイディンは、顆粒層にあるケラトヒアリン顆粒と共に、
角質の形成に関与しています。

角質層

死んだ上皮細胞と角質が積み重なった層です。表層は垢やフケと
して剥がれ落ちていきます。

真皮

真皮は表皮と皮下組織の間に存在し、弾性に富む線維(弾性繊維)と
コラーゲンにより作られている線維(膠原線維)などにより構成されて
います。真皮はスポンジのような構造で、表皮の下から支える役割を
果たしています。ヒアルロン酸などの保湿成分も、この真皮に多く
含まれており、肌の弾力性を決める要の部分といって良いかと思います。
このような働きを持つ真皮ですが、他の器官と同様に細胞の種類・構造
により乳頭層と網状層の2層に分けられます。
ちなみに文献によっては3層とするものもあるのでご了承ください。

乳頭層

表皮と直に接している部分で、乳頭層の構造により表皮は身体から
剥がれにくくなっています。血管やリンパ管の通り道が多く、水分
もこの部分に多く含まれています。

網状層

皮下組織に接している部分で、乳頭層と皮下組織の橋渡しをして
います。コラーゲンでできた膠原線維が複雑に織り込まれたよう
な構造のため、皮膚は引き裂きに対して強い構造となっています。

なお、この真皮の部分には毛根や汗を出す汗腺、血管、免疫細胞、神経 などが存在します。

皮下組織

皮下組織は脂肪の貯蔵庫で、熱に対抗する役割を持っています。脂肪の
分布は遺伝はもちろん、ホルモンによっても調整されています。
(皮下組織の付き方に男女差があるのはここが原因かと思われます)
外力が加わった時にクッションのように保護するのもこの部分の役割
です。

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